マルメルの中野です。
インドア派だった我が家が、今ではすっかりキャンプにはまっています。
我が家でとくにインドア派なのは妻です。わたしも、それにつられて、すっかりインドアな人間になっていました。
きっかけは5年ほど前のある休日。当時3歳だった娘が大好きな、公園でした。キャンプをしに行ったわけでも、道具を買いに行ったわけでもありません。それなのに、なぜこうなったのか。
振り返ってみると、その道のりには、わたしが普段マーケティングの仕事で考えていることが、ぎゅっと詰まっていました。
きっかけは、3歳の娘が大好きな「公園」でした
舞台は、高知県須崎市にあるロゴスパークです。
ロゴスパークは大きく分けると、公園、キャンプ場、コンテナの宿泊施設、そしてキャンプ道具を売っている施設で構成されています。
最初に訪れた目的は、娘を公園で遊ばせること。娘はとにかく公園が大好きなんです。そして、ロゴスパークの公園はめちゃくちゃ大きい。しかも無料で入れる。小さな子どもがいる家庭にとっては、ありがたい行き先ですよね。
というわけで、家族3人で遊びに行きました。この時点では、キャンプをしに来たつもりはまったくありません。
公園のすぐ隣には、ロゴスのキャンプ道具を売っている施設があります。ここでは、ときどきテントの展示をやっているんですよね。
実は、わたしは中学・高校の頃にキャンプが好きでやっていました。展示されているテントを見ると、つい足が止まります。「今のテントってこんなのがあるんだ」「キャンプ道具って、今こういうものがあるんだ」と、気づけば夢中で見て回っていました。
「キャンプ、興味ありますか?」から始まった一日
そこへ、スタッフの方が声をかけてくれました。
「キャンプ、興味あるんですか?」
「昔ちょっとやってまして。興味はあります」と答えると、
「キャンプ場すぐそこなんで、よかったら見学しますか?」
せっかくなので、「ぜひ」とついていきました。
キャンプ場をひと通り見せてもらうと、同じ区画内にコンテナがあることに気づきます。「コンテナもあるんですね」と話していると、スタッフの方からこんな提案がありました。
「キャンプ道具をお持ちでなければ、コンテナの方が手軽だと思いますよ」
確かに。いきなりテント泊と言われるより、ずっと気軽に思えます。
さらに、「今ご予約いただけたら、空いている日程をお調べしますし、10%オフにもできますよ」とのこと。その場で日程を見てもらい、行けそうな日があったので、予約しました。
公園に遊びに来ただけのはずが、帰るときには宿泊の予約が入っている。今思えば、なかなかの展開です。
コンテナから見えた、テントの景色
後日、実際にコンテナに泊まりに行きました。
コンテナからは、すぐそばのキャンプサイトが見えます。そこには、いろんなテントが張られていました。
これを見ていると、気持ちがむくむくと湧いてくるんですよね。
「コンテナもいいけど、やっぱりテントを張ってキャンプがしたい」
これが、我が家がキャンプにはまった、本当のきっかけです。
その後のことは、ご想像のとおりです。ロゴスパークにはこれまで5、6泊ほどしていて、キャンプ道具は、すべてロゴスで揃えたわけではありませんが、気づけばかなりの数を買い揃えていました。
完全に、向こうの思うツボです。
振り返ると、全部が「階段」になっていました
ここからは、マーケティングの仕事をしているわたしの目線で振り返ってみます。
ロゴスパークに通って気づいたのは、ソロキャンパーや2人で来ているデュオキャンパーがとても少ないことです。ほぼ全組が家族連れでした。
我が家が体験した流れに、ロゴスパークで用意されているプランも加えて並べると、こうなります。
- 無料の大きな公園に、家族連れが気軽に遊びに来る
- 隣の施設で、テントやキャンプ道具の展示を目にする
- テントを見ていると声をかけられ、キャンプ場を見学する
- いきなりテント泊はハードルが高いので、まずはコンテナに泊まる
- コンテナから、実際にキャンプをしている人たちの姿を見る
- 道具がなくても、手ぶらでテント泊ができるプランを試す
- 「テントでキャンプしたい」と思い、道具を買う。次はキャンプ場へ
実はロゴスパークには、道具を持っていなくてもテントに泊まれる、手ぶらのプランもあります。我が家はこの段を飛ばして、いきなりテントを買ってしまいましたが。
一段一段が小さくて、無理がない。入り口は誰でも入れる無料の公園で、そこから先は、興味のある人が自然と次の段に進んでいく。逆に言えば、キャンプに興味のない人は公園で遊んで帰るだけ。それでいいわけです。
ロゴスパーク側がどこまで意図して設計しているのかは、わたしにはわかりません。ただ、「家族連れ」という来てほしいお客さんの姿がはっきりしていて、その人たちが迷わず進める道ができている。体験した側としては、そう感じずにはいられませんでした。
自分たちの商売に置き換えてみると
マーケティングの世界では、こうした考え方を「フロントエンド」と「バックエンド」という言葉で説明することがあります。
フロントエンドは、無料や手頃な価格で、まず気軽に試してもらう入り口。バックエンドは、その先にある本命の商品やサービスです。ロゴスパークに当てはめると、無料の公園がフロントエンド。コンテナへの宿泊や、テント・キャンプ道具の購入がバックエンド、ということになります。
わたしも、「無料の体験から、有料のものへつなげていく」という考え方は、普段の仕事でずっと意識しています。
とはいえ、言葉として知っているのと、お客さんとして見事に乗せられるのとでは、まったく別物でした。
体験してみて感じたのは、入り口と本命が一本の道でつながっていたことです。公園で遊ぶ家族連れと、家族連れが集まるキャンプ場。入り口に来る人と、本命を楽しむ人が、同じ人たちだったんですよね。
もし自分たちの商売に置き換えるなら、お客さんが最初に気軽に足を運べる「公園」にあたるものは何だろう。そこから次の一段は、どこに置けばいいんだろう。ロゴスパークでの体験は、そんなことを改めて考えるきっかけになりました。
まとめ
娘を公園で遊ばせに行ったつもりが、気づけばコンテナを予約し、テントに憧れ、今ではテントや道具を揃えてキャンプに出かける家族になりました。インドア派だった我が家としては、なかなかの変わりようです。
完全に思うツボでした。まあ、はまってしまった以上、もう仕方ありません。
お客さんを無理に引っ張るのではなく、次の一段をそっと置いておく。お客さんとしては見事に思うツボにはまったわたしですが、仕事では「一段を置く側」として、この体験を活かしていきたいと思います。